不動産業界、不動産取引はブロックチェーン技術の台頭によりどう変わるのか?

不動産に関していえば、シェアリングエコノミーモデルの行き着く先は、仲介業者である不動産業者を極力介さず個人間が不動産取引をするモデルだと考えます。私は大手ディベロッパーや大手不動産管理会社などが中心となり、PBFTで旧REINSをブロックチェーンやスマートコントラクトで取引の効率化を図り、オーナーと賃借人や買主の取引を(匿名性を守りながらも)コアノードには公開することで、不正防止、不払いリスクの抑止を図る新REINSを作るのが良いと現時点では考えています。PBFTは、Practical Byzantine Fault Tolelanceの略で、不正なブロックの追加を防止するために用いられるコンセンサスアルゴリズムです。コアノード(ここでは新REINS管理者)にブロックの生成権限を集中させ、コアノードによる合議制において、トランザクションの承認を行う仕組みと言えます。マイニング報酬はネットワークを運営できることなので、ビットコインのようなオープンなブロックチェーンよりも、電気代などのコストが安く、信頼度が高い設計といえます。まだ勉強中ですし、新しい技術や提唱は次々出て来ると思うので、あくまで現時点では、そう考えています。

HomesやSUUMOも不動産業者を通さないと契約できないという習慣までは壊せませんでした。(もしくは壊さなかった?)不動産業者を間に挟まないと危険だという不安はブロックチェーン、スマートコントラクトでかなり解消できると思うし、コストが安ければ、一般消費者やオーナーは個人間取引に流れて行くと思う。(REINSのようなデータベースと代理登録するエージェントは必要だけど、それが前提だと不動産業者の立場が強すぎて広告料とか仲介手数料が発生してコストが高くなる。)

個人間取引が面白いのは、ビジョンとか共感とか、趣味とかコミュニティでつながっていく不動産取引が活発になること、各個人がある程度自由に設計できること。同じ価値観や趣味を持つ者同士で家や集落を共同で買ったり投資して作ったり、その価値観が変わったり結婚したりしてトークン(資産)がいらなくなったら売ったり‥不動産賃貸、売買自体を使用権、利益配当請求権、議決権として小口でトークン化できたら色々面白いことができそう。それを難解なブロックチェーン技術がわからなくても誰でも簡単にトークン発行してプロジェクトを開始できるアプリケーションを開発したいし、既存の金融機関で融資を引きづらい民泊事業向けにまずやりたい。(合法化したら借りやすくなるかもしれないけど、属性評価されなそう・・・)

最終的には不動産業界にとって仲介手数料という旨味はなくなるかもしれませんが、金融機関もそう考えているように、コストが安い方、個人間取引にユーザーや企業は流れるはずなので、不動産業界が今の体制を守ろうとしても楽天&Home’s連合やリクルート(SUUMO)&Airbnbは民泊やマンスリーも絡めてブロックチェーン技術を活用した個人間取引を進めるでしょうから、あとはいつまで今のやり方で逃げ切れるかという時間の問題だと考えます。現在個人のお付き合いで地元の不動産を管理して経営している小さい地場の不動産屋さんも、デジタル世代のオーナー比率が高くなっていくわけで、(今の50代くらいであればすでにネットは使いこなせるので) 旅行代理店が少なくなったように、実店舗の不動産屋という概念もそう遠くない未来にあまり意味のないものになるように思います(地代、人件費、光熱費などコストもかかりますし・・・)

あとは誰がルール(法律改正やスマートコントラクト)を作るのか?誰がネットワーク管理者になれるか?という問題がありますが、これは早いもの勝ちな気がします。また取引履歴がオープンになることで滞納履歴や近隣トラブル履歴も数値化できて、信用スコアが低い人は家を借りづらくなる仕組みにすることでトラブル抑止も図り、家賃を滞納したら鍵が使えなくなるような仕組みをディベロッパーやシステム会社やスマートキー開発会社が進めていくでしょうし、長期賃貸の場合、資金プールの資金源をどうするかという問題はありますが、賃料滞納をオーナー様に保証する仕組みをイーサリアムなどで設計する方が、(現状より不正がしにくくなるので延納のリスクは大幅に減るはずなので)家賃保証会社の今のシステムよりもユーザーにとって選ばれるはずです。

不動産業界は不動産が好きなのではなく、お金が好きだから、儲かるからこの業界に入る人が多いように思います。不動産業界がREINSという仕組みで情報を制限することで利益を得られるわけですが、もし情報の独占が出来なくなってしまえば、純粋に不動産が好きな人がコンサルタントのような立ち位置でユーザーをサポートするようになり、業界ももっと健全化してオーナーも買い手、借り手もハッピーではないでしょうか?

ビットコインのように管理者不在の非中央集権的なブロックチェーン設計も考えられますが、昨今の取引所のトラブルなどを見ても、ある程度公的な組織が管理する設計の方がいいという流れになっていくような気がしています。

贈与経済で、困ってるシングルマザーや生活保護受給者、身寄りのない高齢者、難民に無償で空き家を提供したい。この人に住んでほしい、こんな人に住んでほしい、こういう人たちと一緒に住みたい。オーナーと入居者がFacebookなどでお互い人柄が見れて、オーナーと入居者が交流するようなモデル。そもそも定住せず転貸が当たり前になり、家をお互いオープンにしてその日その時に帰りたい家に帰る、同じビジョンや趣味を持った人がどんどんつながって入れ替わり生活するようなモデルも当たり前になっていくでしょう。僕が作りたいのは、そこで生じるコスト、やりとりを極限まで効率化して、同じビジョンや好きなことを共有するコミュニティが独自に暗号通貨を発行して資金調達し、街や集落を作ったり、シェアハウスを買ったり借りたりするのをスムーズに誰でも出来るようなサービスです。

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